第3章 第二話「鳳丸」
「ふふふ、つい、可愛いくて。さぁ…私は十一番隊に行って稽古してきます」
あっという間に書類の山に判子を押し、片付けてしまう
「ぼ、僕も着いて行った方が良いですか?」
「私が戦ってる姿を見てしまうと惚れてしまいますよ」
クスクスと笑いながら言えばまた吉良の顔が赤くなる
「た、隊長!!」
顔を真っ赤にしてプスプスと怒る吉良を背にし以前約束していた一角との稽古へと向かう
「ふふっ、伝えてしまうと何だか楽です…」
稽古場
「一角さーん!来ましたよー!!」
稽古場には人は居らず外からガヤガヤと声が聞こえ、そちらに向かえば稽古と言うより地獄絵図の様に隊員が一角の足元に大勢横たわっていた
「あ、純白。よく来たね今終わった所だから一角と撃って行きなよ」
「はい!そのつもりです」
「オラッ、木刀だ、構えろ!」
一角を見れば既に木刀を構えていた。その姿を見て純白も斬魄刀を弓親に預け投げられた木刀を構える
「よろしくお願いします」
純白がそう言いニコッと微笑むと一角は勢い良く斬りかかりにくる。木刀のぶつかり合う激しい音で稽古場は包まれ緊張感の中2人は打ち合いを続けていた
「体格差で不利ですね、私」
「はッ、んな事思ってねぇくせによぉ!!」
一角の強い打撃を涼しい顔で防ぐ純白の言葉に一角は鼻で乾いた笑いをする
「これでも女の子ですから思ってますよ」
一瞬純白は屈み一角の視界から消え、後ろから肩を狙い突く
「ッ、危ねぇな!、」
一角は見事に純白の突きを避ける
「隙ありです!」
避けた一角の後ろを取り大きく木刀を振り下ろし背中に一撃を食らわす
「い、ッ!痛ッ!」
「純白の勝ちだね、」
「ちッ、まぁ…さすが隊長だな」
一角は純白の頭を荒々しく撫で、木刀を置く。
「じゃー……次弓親さん」
カンカンカン! カンカンカン!!
「緊急警報、緊急警報。断崖内に虚を確認。数は13体。直ちに3番隊は準備をしてください」
「…………」
「ってよ、純白急いだ方が良いんじゃない?」