第2章 第一話「純白」
「隊長…仲良くなるの早いですね」
一角の珍しい姿を見ながら純白を見れば自分にも団子を向けられていて固まる吉良
「貴方も食べますか?イヅル」
べつに団子が嫌いな訳では無いけど……
さ、さすがに恥ずかし過ぎる…
そう考えながら耳まで赤くする吉良
「なんで二人共赤くなるんですか?」
「さぁ~なんでだろうね、純白僕にもちょうだい?」
「はい!弓親さんあーん、」
2人とは違い喜んで口を開け食べる弓親
「美味しい、ありがとう純白」
ふふふと満足そうに笑う純白を見て弓親も優しく笑う
「食ったんなら行くぞー、」
一角はスクっと立ち上がり伝票を持って行ってしまう
「あ、一角さん!私もお支払い…」
「いいって」
支払いを済ませ、お土産の団子を渡される
「きゃー、一角カッコイイ~!!」
「うっせ!!どつくぞ!弓親ぁ!!」
「た、隊長…帰りましょうか」
「待って、一角さん弓親さん楽しい時間をありがとうございます。こんなに楽しかったのは久しぶりです、一角さん手合わせの準備しといてくださいね」
「おう、いつでも大丈夫だぜぇ!」
こうして吉良と純白、一角と弓親は別れた
「隊長はどなたとも仲良くなれるんですね」
「…………私前まで凄く人が怖くて嫌いで1人で良いって思ってたんです。でも…ある人をお慕いしてから考え方が変わって…色んな方と仲良くなって人を好きになろうって決めてるんです」
「へぇ……凄い、良いな…僕にもそう出来たら良いのに……」
純白に言った言葉では無くポツリと出た本音
「大丈夫ですよ、イヅル」
私をそうしてくれたのは貴方だから
貴方に出来ない訳無いですよ。
「え?…純白隊長?」
「……いずれ私の友達は貴方の友達になります、友達100人出来ちゃいますよ、イヅル」
「ふ、ふふふ、なんですか?それ」
こうして2人は夕暮れの街を歩き、3番隊隊舎へと戻って行った。