第3章 昔のこと
天馬「何か元気ねぇな」
万里「あぁ…。何か知らねぇ奴に追いかけられてたっぽい」
天馬「はぁ!?」
咲也「それって…最近噂されてる不審者のことですか…!?」
万里「そうなのか?」
幸「ここら辺で不審者が出たから気をつけろってさ」
椋「先生が言ってました」
万里「じゃあそれかもな…。あの濡れ方だから相当走ったっぽいな」
至「マジか」
東「コヨミは可愛いから…狙われやすいのかもね」
―――――
『………』
昔もあった
胸が変にざわついて…不思議に思ってると絶対に人に話しかけられる
でもそれは高確率で危険な人
『……っ』
小さい頃に無理やり車に乗せられたこともある
手足縛られて…真っ暗なところでずっと…
『…っ!!』
あのときのことを思い出すだけで恐怖が私を襲う
いづみ「コヨミちゃん…!?」
『あ…っ…か…かん…っ』
いづみ「過呼吸…!ちょっと待っててね!」
いづみは急いで紙袋を持ってきてコヨミの口元に当てた
いづみ「ゆっくり息して…!落ち着いて…大丈夫だから…」
『…っ…っ…』
しばらくするとすると呼吸が落ち着いた
いづみ「大丈夫…?」
『はい…すみません…』
いづみ「ううん。万里くんから聞いた。怖かったよね…」
『……小さい頃に…何回か…誘拐されたり…されそうになったことがあって…』
コヨミはそのときのことを話した
いづみ「そっか…そんなことが…」
『………』
いづみ「よし、これからは1人で行動するのはダメね!」
『…え?』
いづみ「迷ってたんだよね…前から。コヨミちゃん1人にして大丈夫かなって!」
『え…?』
いづみ「コヨミちゃん可愛いから不審者絶対現れるかもって思ってたんだけどこんなに早く来るとはね…」
『監督さん…?』
いづみ「明日から下校は誰かと一緒ね!誰もいないときは誰かに行かせるから!」
『えぇっ!?そんな!!ご迷惑を…!!』
いづみ「大丈夫だよ。ここにいる人たいみんな、女の子の1人歩きはするな~って人たちばっかりだから説明すればわかってもらえるよ!」
『でも…』
いづみ「ね!ヒマな人も多いしね!」
『ヒマって…』
いづみ「コヨミちゃん」
『…?』