第2章 出会いと祝福
『見つかってよかったですね』
椋「そうですね」
そして2人も駅へ向かって歩き出した
椋「すごく素敵な歌でした」
『えっ…あ、いえ、全然…』
椋「本当です!ずっと聞いていられるような素敵な歌声でした!」
『あ、ありがとうございます…//』
「きゃ~!!」
「サインください~!!」
『…?』
椋「何だか女性がいっぱい…」
『何でしょうね…?』
椋「他の劇団のストリートACTですかね…?」
女性が嬉しそうに次から次へと帰っていく
『…!!!』
その人はよく知ってる人
椋「白雪さん…?」
『レニ…さん…』
椋「え…っ?」
コヨミは少し震えていた
椋「白雪さん…!?」
レニ「おや…?」
『…っ』
コヨミとレニの目が合い、レニが向かってくる
レニ「キミは確か…」
『お、お、お久しぶり…です…っ』
レニ「あの時の…なぜこのビロードウェイにキミがいるのかね…?あの時忠告したはずだが…まだ演劇をやっているのか…?」
『いえ…私は…』
レニ「キミにはセンスがないとあのとき忠告したはずだ。夢は諦めろと。キミの演技には一縷の希望もないと」
『……っ!!』
椋「そんな言い方…!」
『いいんです!!合ってますから…!!私がここにいるのは、友達に舞台を観に来てと言われたので来ただけです…!それでは…失礼します』
コヨミはレニに微笑みかけてその場を離れた
椋「白雪さん…!!」
『…変なところ見せちゃいましたね』
椋「いえ…」
『私は前に演劇をしてたんです。でも、レニさんに才能がないからやめろって言われて…。その通りなんです。私…下手っぴで』
椋「うちの…」
『はい…?』
椋「うちの劇団に入りませんか!!?」
『……えぇっ!?』
椋「うちの劇団には女性の人がいなくて…白雪さんが入ればもっと舞台の幅が広がると思うんです!!」
『い、いえいえいえ!!今言った通り、私には才能がありません。センスもないんです。もう二度と…舞台に立つことは許されません。誘ってくれて…ありがとうございました。ここまでで大丈夫です。それじゃあ』
コヨミは軽く会釈して駅の中へ
椋「………」