第3章 こんな私でも。 [忍足謙也]
「そうや!昨日さんきつねうどん食べとったやろ?熱いのを我慢しながら頑張って食べてる姿がたまらなく可愛いんや!!」
目を閉じてその時の情景を思い浮かべながらうっとりとしている謙也くん
いっぽうの私は脳が追いついていなくてショート寸前の状態。
「1ヶ月くらい前になたまたまさんがいるのを見つけて、それからずっと毎日食堂で見てきたんやで?
それからいつの間にか食堂以外でも廊下で見る度に目で追うようになってたんや。それで、白石に相談したらそれは恋やー!って言われて思い切って告白したっちゅーはなしや。」
「1ヶ月も前から?!全然気づいてなかった……。」
「そりゃそうやろうなさん、食べるのに真剣だったやろ?」
だって……食べることがすきなんだもん。おかげてこんな体型ですけどね。
「その、告白してくれたことはすごく嬉しいんだけど私まだ忍足くんのこと知らないからこれから徐々に知っていけたらいいなって……だから」
「返事はおあずけってことやな?」
「うん。」
「わかった!任せとき!絶対に惚れさせてやるからな!!」
そう言って笑った謙也くんの笑顔はとても素敵だなって思ったのはまだ言わないでおくね。
完