第5章 闇夜の調べ
「だめ、だめ、またイっちゃ、…!」
「いいよ、何度でもイっておくれ……」
限界を訴えれば激しくなるストロークに、口元を押さえそうになる私を、ハイデスさんの手が遮った。
隠さないで、全てさらけ出して欲しいというように、逃げ場をなくした私は、ベッドに縫い留められた手に力を籠めると、そのまま何度目かの絶頂を迎えた。
「ぁ、ああぁあっ!あ、!」
ビクビクと震える私を、ハイデスさんが至近距離で愛おしそうに見詰めていた。
「あぁ、かわいい……可愛いよ、アンリ。」
噛み付くような口付け。ぬるりと熱い舌が私の中へ入っては、ねっとりとその中を舐め取っていく。
ハイデスさんの自身が、私の奥にごりごりと押し付けられる。苦しいくらいの筈なのに、それすらも快感に変わっていく。
形が分かるくらいに締め付けては、中でビクンと跳ねるのすら分かってしまう。
「んぅっ、ふ、ぁっ!」
気持ちいい。本当におかしくなってしまいそうだと思った。
「アンリ、愛してるよ……愛してる。」
頭がくらくらする。甘ったるいハイデスさんの声が、私の中に響くようだ。
「あっぁ、あんっあ…!」
何度も何度も、奥深くにハイデスさんはその熱を押し付ける。ぐちゅん、ぐちゅんと粘着質な音を響かせる。
あぁ、また果ててしまいそうだと思いながら、だらしなく開いた口からはもう言葉にならない甘ったるい音を漏らすだけである。
「ああんっふ、あっぁあんっあああぁ!!」
イったそばから、更なる快楽を植え付けてくるハイデスさんに、涙を溜め込んだ目で、これ以上はと訴えても口付けが降ってくるだけであった。