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私を愛したモノなど

第5章 闇夜の調べ


溶けてしまいそうな程に甘ったるい声を聞きながら、ちゅ、ちゅと啄む様な口付けを受ける。気が付けば取り払われているショーツに意識を向ける間も無く、すっとグズグズに濡れた割れ目をハイデスさんの指先が撫でた。

「んぁっ…、ひ、ぁうぅ…っ」

ぴちゃりと卑猥な水音を立たせながら、そこを何度も行き来する指に恥ずかしくなって、思わず顔を手で隠した。

「……恥じらう君も可愛らしいけれど、私はそんな君の顔も見せて欲しいんだ。ねぇアンリ……ダメかい?」

優しい声が耳元で聞こえるのだけれど、どうしても私はそれに答えることが出来ない。
手元で隠した僅かな視界の隙間からでしか、ハイデスさんの顔を見ることも出来ないまま、私の割れ目をなぞるその手の感覚を受け入れる。耐えきれずぎゅっと強く目を瞑ったからか、普段よりもどうしても感覚がそこに集中した。視界の無い中で、私の鼓膜を刺激する、甘い声と焦らすかのような手付きに、ピクンと体が反応してしまう。

「顔を見せてくれないのなら、君が我慢できなくなるまでずっとこうしていようか?……あぁでも、このままの君もいじらしくて可愛いね。ほら、もうこんなにもとろとろになってる……たっぷり濡らして、いい子だね、アンリ。」

耳元に唇を寄せ、時に舌先で舐めながらそんなことを囁くハイデスさんに、私は尚更顔を見せることが出来なくなってしまう。
ゆっくりと意識をぐずぐずに溶かされていく感覚に、身体はどんどん敏感になっていく。

「ぁ、やぁ…っ、ん…!」

「嫌だなんて、嘘はいけないよ。ほら、アンリ……ここ、好きだろう?」

愛液でべったりと濡れたハイデスさんの指先がその少し上で切なそうにする小さな突起を撫でた。

「っぁあ!ゃ、それ…、あぁっあ、!」

くるんくるんと転がすように撫でる指に、その小さな私のクリトリスが逃げようと震えた。焦らすような甘ったるい刺激から、直接的な快感にこの身体は嫌がるどころか、寧ろ無抵抗に喜びの嬌声を上げる。
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