第5章 闇夜の調べ

「っや、あ…ぁあっ、ん……ハイデス、さん、っ」

時折びくんと肩を振るわせながら、堪らずにハイデスさんの名前を呼んだ。こんなにも胸ばかりを刺激されては、切なくてどうにかなってしまいそうだ。いけそうでいけないような、もどかしい快感が、どこまでも私の身体を熱くするのに、それはぐるぐると渦巻くばかりで、私の身体を苦しめる。

「ん……すまない、もう少し、もう少しだけ…」

「あっ、ぁッやあ…そん、な…あッぁん、！」

ちゅう、と強く吸われてはびくんと背が弓なりにしなる。まるでもっと欲しいと、ハイデスさんに押し付けるような体勢である。がぷりと全体を口に含まれた私の乳首は、熱い舌でねっとりと嬲られた。
舌の腹で押し潰されるように転がされて、足先までもがその快感に震えるようだった。甘い果実をいつまでも口の中で優しくいたぶるその愛撫に、久々の身体はあまりにも敏感に反応していく。

「ふ、ぁっあ…、！だ、めぇっ……」

触ってもいない筈の、身体の奥が切なく疼いて仕方がない。もう確認する必要の無いくらい、ショーツの中はぐちゃぐちゃに濡れているだろう。
恥ずかしくて仕方がないのに、今すぐに触れて欲しくて堪らない。無意識に脚と脚とを擦り合わせ、甘い疼きに耐えようとする。

「……ぁあ、アンリ…かわいいね。本当に、全て喰らってしまいたい…」

それに気が付いたハイデスさんがゆっくりと私の腰を撫でた。そのままスルリとスカートを捲し上げ、内腿を撫でる手に心臓が高鳴る。

「ぁ、あ…っや、ハイデス、さん…」

期待にぐずぐずに溶かされた中心が、早く触って欲しいと甘い涎を垂らす。ショーツ越しにも感じる程に濡れそぼったそこを、ハイデスさんの指先がそっと撫でた。
ビクン、と跳ねる腰と、耳に届くのは私のものとは違う、酷く熱っぽい息遣い。

「フフ、こんなにして……早く私に触って欲しかったんだね。ごめんね……ほら、今から私に沢山可愛がらせておくれ。そうして、私の手で可愛らしく鳴く君をもっと見せておくれ。」