第4章 3 夢か現か幻か
「、アンリ……アンリ…、っ」
彼女が、欲しい。今すぐに。
はっ、と息を吐きながら、私はその濡れそぼった膣口に己の陰茎の先をくちゅりと擦り付けた。
途端、あのゾクリとした恐ろしいくらいの快感に目が眩んだ。薬の為か、それ以上の違和感は無い。あるのは、全神経を持っていかれそうな快楽の戸口だった。
入り口を探るように、先を動かしてその滑った愛液が纏わり付くのを感じただけでどうにかなりそうだった。
「、ぁっ…、」
この状況に気が付いたアンリが、ハッとしてその口を塞いだ。
緊張と、羞恥と、少しの驚きが入り交じった瞳でその艶かしい光景を見詰めていた。
「…、アンリ、挿れても、良いかい…?すまない、もう、これ以上我慢ならないんだ……今すぐに、君が欲しい。」
吐く息が熱く、吐息と言葉が混じるような声色で、彼女を求めた。
ひゅ、と小さく息を飲む音が聞こえた。
早く、早く答えが欲しくて、私はそれ以外何も考えられなくなっていた。
そうして、アンリの首が、コクンと縦に頷ききらぬ前に、私は腰を押し進めていた。
「っ、ぁぁ、あっ、!!」
圧迫感に、少し苦しそうにする彼女。
そうして、その中の、熱く、狭く、どろどろに溶かされてしまいそうなそこに私は押し入った。
「っ、は、……アンリ、やっと、君と…」
そこまで言って、口をつぐんだ。
ぞわりとした罪悪感に、一気に息が苦しくなる。
繋がった、なら、どんなに良かったか。
叶わぬ想いが、今になって押し寄せてくるが、それでも構わなかった。
今、彼女は私を感じているのだから。
「あっ、ゃっ、まって…、まだ、うごいちゃ…ッ」
半分程で止まっていたそれを、更に奥へと進め、ゆっくりと最奥の壁に陰茎の先が当たるまで腰を押し込んだ。
「ッひ、ぅ…ハイデス、さっ…ふか、いぃ…、ッ…」
こんなに狭くて、こんなに細いのに、私の殆どを呑み込んだ彼女はその質量に震えていた。
中は搾り取られる程にキツくて、温かくて、こんなにも優しく、強い快感は私は他に知らなかった。
動いたなら、どんなに気持ちが良いのだろう。
「ッ、…アンリっ、アンリ…!」
ずる、と半分程引き抜いて、また腰を押し付けた。
「っや、ぁぁあ、ッ!」