第4章 3 夢か現か幻か
我を忘れて貪ってしまいそうになるのを耐え、ゆっくり、ゆっくりと彼女を隠す薄布を剥ぐ。そうして目の前に晒される柔肌に思わず息をのんだ。
「アンリ、アンリ……。」
汗ばむ首筋に舌先を這わせ、ゆっくりと滑らせる。
白い肌が、桃色に上気するのを更に煽るようにして胸元に口付けた。
そうしているうちに、溢れ出す胸の滴りを口にする。
甘い。魔力が混じるのはよくあること。発作や魔力の乱れが生じている場合は尚更。
だが、こんなにも濃く、強く溢れ出るのは普通の人間ではありえない。
それが、彼女が私達と違う存在なのだという事を知らしめる。
こんなことをして、一体何になるというのだ。
彼女に触れて、醜い欲望をぶつけたい私の無責任な我情でしかない。
「ぁ、あっ…ハイデス、さん…ッや、もっと…」
気が狂いそうだ。
「あぁぁっ、ん、ふ、ぁっ…、!」
今、彼女の眼には、本当に私が映っているだろうか?
臆病な私は、それを確認することも無く、ただ今この場で彼女を乱したい、その欲に甘んじて呑まれていった。
甘く熟れた突起を口に含み、少しきつく吸い上げると、小さく痙攣しては艶めかしい声を聴かせてくれる。
彼女の香りに包まれながら、ぷくりと可愛らしく主張する小さな乳首に、絶え間ない刺激を与えていく。
反対側は指先で優しくこねた。
「あっ、ぁあっだめ、いっちゃ、ぁ…、!」
余程、熱が溜まっていたのであろう。胸への刺激だけで限界を訴える彼女に応えてやるように、刺激を速めてやる。
ぴちゃぴちゃと室内に響く水音と、そのあまりに官能的な彼女の声が私の脳を犯した。
「ひ、あ、ぁっあぁああっ!」
ビクン、ビクンと小さく痙攣する彼女の体。
その無防備な脚の間に膝を入れると、グッと彼女の中心を刺激した。
そこへの快感を意識させるように。もっと乱れて、もっと私を求めてくるように。