第2章 1 箱庭
凭れ掛かった私を抱き締めて、彼がクスクスと笑った。
自然と耳元に掛かる吐息がくすぐったい。
「いい子だね……可愛いよ。」
彼の手がゆっくりと胸の膨らみを撫でた後、そのまま今まで触れられなかった場所へと伸びていく。
ビクッと腰が引けるも、後ろから抱き締められていては逃げることなど叶わない。
まっすぐ彼の手が私の、もう濡れ過ぎて彼の服すらびっしょりと濡らしている膣に触れた。
「ひ、っああぁ、っ!」
指先でその溢れ出る蜜を掬い取ると、あろうことか自らの口の中へと入れたのだ。
ちゅぱ、ちゅっと音を鳴らして指を舐める彼に驚いて声が出ない。
「……あぁ、流石だよ…最高だね。」
うっとりとした声でそう口にする相手に何がなの??と聞きたかったが、またすぐに彼の手は私の膣へと戻ってきた。
濡れそぼったそこを指で撫でられ、ぴちゃぴちゃと音を立てられる。
「あっ、やあ…ぁっ、!」
恥ずかしさと気持ちよさで顔を覆いたくなったが、私の手足は未だに痺れが抜けずに動かないまま。
されるがままの人形である。
「ほら、僕の指がもうびっしょりになっちゃった……気持ちいいね?大丈夫だよ、僕がもっと気持ちよくしてあげるからね。」
耳元で甘く囁かれて、それだけでゾクゾクするのに彼の指は膣の入り口の小さなヒダに指を絡ませるようにして何度も何度も私を攻めた。
「ぁあんっあ、!やぁっ、あっ!!」
ゾクッと背中を抜けるような、快楽と共にまた恐怖感が訪れて思わず首を振る。
「また怖くなっちゃった?大丈夫だから、怖くないよ。今触ってるの誰?僕でしょ?今はただ僕を感じてればいいよ…僕だけに集中して。」
まるで幼子をあやすように優しい声が耳に直接響いて、同時に手の動きがゆっくりとしたものに変わる。
まるで激しい快楽が恐怖と繋がることがわかっているかのように、優しく刺激される。
もどかしさすら感じながら背中越しに彼の温もりを感じる。
またゆっくりと私の中の恐怖が和らいでいく。
この人は何で私にこんなにしてくれるの。
私はどうしてここまで優しくされてるの。
薄れ行く恐怖と別に浮かんだ疑問が私の中で大きくなっていく。
それと比例して、もっと感じたい、もっと彼に触れて欲しい気持ちが溢れ出る。
「嗚呼……いい子だね。君が受け入れてるのは全部僕なんだよ、そして僕だけが君を助けてあげられる。」