第2章 1 箱庭
このまま本当に私死んじゃうの??
そんなの絶対に嫌だ、死にたいとか消えたいとか沢山思ったし何度か線路に飛び込もうとか思ったことはあったけれど、こんな場所、こんな形で訪れる死への恐怖は尋常じゃない。
体を拘束するツルとはまた別の、しなやかなものが私の体に触れる。
そして、誘われるように一直線に私の濡れた膣へと触れた。
「ああっ、ア、!!」
ビクンッ、と火照った体はこんな状況でも快楽を貪ろうとする。
何で、何でそんなところ触ってくるの?
ズルズルと私のソコを擦ると、別の触手が乱暴に下着を引き裂いた。
「やっ、いやああ!だれかっ、たすけて!!!やだぁあ!」
もう訳がわからずに叫ぶしか出来ない。
ビリビリと音を立てて私の服が全て布切れに変わっていく。
さらけ出された肌を滑った触手がズルズルと這う。
体は持ち上げられ、怪物の上に置かれた。
ぞわっと一気に無数の触手が伸びて私の体を汚していく。
ちくっと小さな傷みに気が付くと、ひとつの触手が胸元に張り付いている。そこからはじわじわとした傷みと麻酔をかけられた時のような痺れに似た違和感。
何これ、吸われてるの?
もしかしてこのまま養分を吸われて死んじゃうとか?
想像しながらも近くで飛び出した鹿の下半身の形をした物を見てゾッとする。
嘘でしょ、カミサマは私を助けてはくれないの?
やっぱり私は消えた方がいいの?
恐怖と絶望に思わず涙がボロボロと流れ落ちる。
しかし怪物はそんな事など知らぬとひとつの触手が口の中に入り込んでこようとする。
「んん、んーっ、!!」
やだやだ今度はなんなの??!
青臭い臭いのするそれは無理矢理口をこじ開けてこようとするが、絶対にこんなの口の中にいれたくないと必死に歯を食い縛る。
中々口を開こうとしない私に痺れを切らしたのか、滑った触手が私の鼻を防いだ。
突然呼吸が出来なくなって、顔を振ってもがくが離れる気配は無い。
乱れる息で突然呼吸を塞がれては耐えられる筈もなく、私は1分もたたずに口を開いた。
その瞬間を待っていたかのように触手が口の中へと入り込んでくる。
喉元までを太く青臭い触手に埋められると咄嗟に吐き出しそうになるが、その前に何か大量の液体が注ぎ込まれる。
私はそれを成す術もなく飲み込んだ。