第15章 こころのきもち (学パロ)
――あぁ、
お前は本当は、そんなに綺麗な笑顔を見せるんだな。
薄汚れた街の薄汚れた俺に、純粋で綺麗な笑顔を見せてくれる。
俺は
お前が
本当に。
「大好きだぜ」
ダンテは今度こそ、に唇を重ねた。
は待ちわびていたようにダンテを迎え、歯の隙間から舌が入り込んでくるのを感じる。
その口づけは優しく、溶けそうなほど甘く、優しさが心を温めた。
私は一体、何を怖がっていたんだろう。
こんなにダンテに好かれて大切にされて、何が不満だったんだろう。
ダンテが好いてくれているのなら
これ以上の自信はない。
やがてダンテは唇をそっと離した。
「待ってな」
にっと笑うと立ち上がり、倒れたドアを見る。
もう生徒はほとんどいない時間とはいえ、さすがにこれは危ないだろう。
片足で倒れたドアをすくうと跳ね上げ、蹴飛ばしてもと通りにはめた。
は瞬く。
ドアは元通りとはいえ不自然に曲がり、ダンテの靴跡がくっきりとついている。
おかしさがこみあげてきて、笑った。
ダンテがあまりにもいつも通りで、それが嬉しくて。
「何笑ってんだよ」
そう言いながら振り返って、ダンテは息を飲んだ。
先程の口づけで頬の紅い。
それだけでも結構なものなのに、服は妖しく破かれていつもより肌が覗いている。
さらにの笑顔。
しかし、今日ばかりは我慢しなければならないだろう。
暗い部屋の中で二人は、暫く身を寄せ合っていた。
2006/01/16