第2章 Red Angry
ある日。
とダンテは久しぶりに遠出をして、新しくできた大型のデパートに来ていた。
前からは行きたいと思っていたのだがなかなか行けず、今日は丁度ダンテの仕事が休みだったので連れて来てもらったのだ。
「うわー……おっき!」
首を真上に向けないと、てっぺんまで見えないくらいの高さ。
デパートの入り口で、は空を仰いでいた。
近所では何でも揃っていると評判のデパート。わくわくしながらは振り返る。
「ダンテ、行こ!」
「おー」
ダンテの手を握ると、は先を歩き出す。女の買い物は長いと聞いた事があるなと、ふとダンテは思った。
まぁ、いい。今日はの荷物持ち兼、銃の弾丸補充に来たのだ。
そろそろ残りも少なくなり心配だったので、ダンテにとっても丁度よかった。
新しい種類の弾丸も揃えられているらしい。期待するだけはあるかもな、と建物を見渡す。
入り口をくぐると、フロア別の売り場表示が目に入った。はそれを眺めながら言った。
「ダンテ、弾丸見たいんだよね」
「あぁ」
「時間もったいないし、ダンテ行ってていいよ。私、服とか雑貨とか本とか見るから」
「そんなに見んのかよ」
ダンテが驚くと、は振り返る。からかい気味に言った。
「女の買い物を甘く見ちゃだめだよ!せっかく来たんだもん。買える物は買わなきゃ」
ダンテはそのあっけらかんとした言葉に瞬くと、苦笑した。
―――帰りは覚悟した方がいいようだな。
「弾丸買ったら、迎えに行く」
「ん。すぐ済む?」
「…1時間くらいか?」
「じゃあ本屋で待ってるよ。他の買い物はそれからする」
「わかった」
銃の類はフロア5。本屋はフロア2だ。二人はエスカレーターに乗る。
フロア2に着くと、は降りた。
「じゃあ、後でね」
「あぁ。あんまりうろちょろすんなよ」
「しないよ!」
笑って返し、歩き出す。