第14章 アイス
「ねえーダンテー。海行きたいー」
ほら今も。
キャミソール一枚に短パンの薄着で棒アイスを口にくわえて。長い髪までまとめ上げて。
足も腕も首も丸見えだ。何て格好してんだよ。
はダンテの葛藤など気づきもせずに、持っていたパンフレットをひらひらさせる。
ソファで膝の上に雑誌を置いているダンテは、気をまぎらわそうと文章を目で追った。
駄目だ。全然頭に入らねぇ。
「ね ここ旅館もあって安いんだよ?露天風呂あるし!」
おいおい。海で水着だけでもヤバいってのにその上泊まりで露天風呂か。
俺を殺す気かお前。
とダンテはギリギリの距離。
これは境界線。ここから少しでもが近付けば、俺は自分が何をするかわからない。
視線だって合わせられない。
ただでさえ視界の端に生足がちらついているのだ。今もを引き込みたくて、手を抑えるので一杯だ。
「ねー。聞いてるの?」
が腰を折り覗き込んでくる。
やめろそんな事したら胸が…
「ねーねー」
超柔らかそうな膨らみが際立って更に見えそうで見えない奥が…!
「ダンテー!」