第7章 つまみ食いの罰
「一日…」
「…はい?」
聞き取りにくく言われ、首を傾げる。
ダンテは顔を上げて彼女を見ると、にやりと笑った。
「一日、俺の言う事聞いて。そしたら許す」
「えええ!あっいや何でもって言っても限度ってものがありますから!出来ない事言われても私出来ませんよ!」
やばいと少し後悔しながら叫ぶをよそに、ダンテはさっきの落ち込みようが嘘のように上機嫌で立ち上がった。
「何してもらおっかなー♪」
「ちっちょっと!聞いてな…」
「何でもするって言ったの、だろ?」
すぐにそう切り返され、ぐっとつまる。
――うぅ…仕方ない…
ダンテもそこまで悪い人じゃないし、今日一日頑張ればっ
息を短くつく。
その諦めモードを感じ取ったのか、彼は言う。
「さーて…最初は何やってもらおうか…」
至極楽しそうに考えるダンテ。
は「考えんでいい!」と突っ込みたかった。
ダンテはしばらく考えた後、にやりとして…
「ならまず、俺の肩揉んで。仕事疲れた」
「……いいです…けど」
「じゃあハイ」
そう言ってダンテは、テーブルのいすに座ってに背を向けた。
晒される滑らかな筋肉質の肌。
自分の肌と比べ、意外と白いんだなとは思った。
自分から触るのが何だか怖くて、はしばらくためらっていた。
そんなに。
「早くしねーと大変な事になるぞ」
というダンテの言葉。
それに何となく危機感を感じたは、おそるおそる触れる。
―――かたい…
男と女は違うのだと、改めて感じるだった。
「…これ終わったら俺の部屋来な」
気持ちよさそうに目を閉じながらダンテは言った。
「?わかりました」
意図のわからないは、約束だからと答える。
ダンテはうっすらと微笑んだ。何をされるかわかっていない彼女の真っ白な返事が愛しかった。
これから何色に染めようか、考えるだけで。
ケーキのひとつくらい安いもんだ。
2006/09/21