第46章 試練
「お前だよ」
「……………」
「なんで鳥肌」
「だってあまりにも漫画みたいな事言うから」
「クリスマスっつったらそれだろ」
「違うでしょ」
「でも食べさせてくれんだろ?お前優しいもんな」
「おだてたって駄目」
「コスプレさせんのもいいよなー。せっかくなんだしサンタの服着てさ」
私は押し黙った。これはまずい。
放っておくとダンテは一人で勝手にどんどん調子に乗ってしまう。テンションが上がった彼は全く突飛もない事を言い出し、私なりに抵抗するものの結局振り回されてしまう。
これは何か対策を考えねばならない。ダンテは、一度決めた事をは滅多に変えない性格だ。
少し考えて私は言った。
「それなら、帰ったら小学5年の算数の問題集一人で全部解いてみて。それが出来たらいいよ」
「……………」
その日、ダンテは一日机に向かったまま出て来なかった。
2008/12/17
ダンテはアホの子でいてほしい