第45章 prince&princess
「うわ…人たくさんいるね」
とダンテは休日を利用して買い物に来ていた。天気もよければ気温も丁度良く、絶好の外出日和。少し遠出をして都心に来た二人は、溢れる人の多さに思わず足を止めた。
「ま、休日の都心なんざこんなもんだろ」
「そっかな」
話しながら、ダンテがに手を差し出す。
きょとんとダンテを見つめた彼女は、一拍置いてふわりと笑った。
当たり前のように差し出してくれる手に、自分の手を乗せる。
「今日のご希望は?お姫さん」
「新しい洋服と雑貨が少し欲しいかな」
「OK. エスコートは任せろ」
そう言って優しく手を引くダンテに、は楽し気に笑った。
例えばの服をダンテと一緒に買いに行く時、彼女はどこの店に行こうと場所を明確に伝えない。
お決まりの店にももちろん行くが、ダンテが道案内をして、気付かないうちに見たこともない店に到着する事が大半だ。
ただ、その見たこともない店がの好みと違った事は一度もなかった。