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【DMC】ダンテ夢短編集

第44章 ごっこ遊び



「ちっくしょ…あそこからがいい所だったのによおお!も落ちたしさあ!」

「ちょっ落ちたって…だってダンテが!あんなとこでやるなんて頭悪いでしょもう!」

人混みから抜けると瞬く間に酔いに似た陶酔感は抜け、羞恥と怒りが湧き上がり、は怒鳴った。
本気で残念がるダンテを叩きたくなる。

まだ顔が熱い。
まだ身体が熱い。
ダンテに近づくと危ない気がして、は離れて歩いていた。

「でも良かっただろ?ああいうスリル。だから止めらんねーんだよな」

「ギャンブルと私を一緒にしないで」

「してねーよ」

「全く…誰か気づいてたらもう電車乗れないよ私。ていうかここに住めません」

「あ、気づいてたぜ」

「え」

「の横にいたおっさん。ハァハァしてた」

「………っ、ダンテの馬鹿!!!もう口きかない!」

ダンテは声を上げて笑った。

すんなり信じるという事は、も周りが見えてなかったという事。
そうは言ってもダンテ自身ですら気付かれたかどうかなんてわからなかった。
最終的に余裕はなくなってしまったのだ。のせいで。

勿体無いのでそれは言わない事にし、ダンテはやや後ろにいるに手を差し伸べる。

「………………」

拗ねたように立ち止まる。しかし、ダンテは確信していた。

「腹へらねーか?」

「……………」

「へらねーならこのままホテルに拐ってや…」

「っ!!」

ぱしん、と乗っかる手。
ほらな、とダンテは吹き出す。

はやっぱり飽きねぇな。





2008/09/08

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