第40章 つなぐ雫
「…ありがと」
落ちたのは、それが最初で最後だった。
ダンテが優しく顔を上に向かせ、まだ雫がたまっているの瞳を見つめ、まぶたに唇を寄せ
すくい
それきり雫は落ちずに。
かわりにに笑顔がこぼれ、ダンテも笑顔になる。
「元気になったか?」
「うん。…このままで、いいんだね」
「あぁ。お前はそのままが一番いい。変わるなよ」
「ん」
ダンテが立ち上がり、に手を差し伸べる。
はダンテを眩しそうに見上げると、少しだけ恥ずかしそうに笑ってその手を取った。
「ダンテ」
「何だ?」
呼び合い
抱き締め
手を重ね。
「大好き」
言葉が重なり、体温が重なり。
笑顔が重なって、幸せが二人に落ちた。
2007/04/05