第3章 RED DRINK
「何だろ、これ…」
は小瓶を月明かりにかざしてみる。
道を歩いていて、路上商人に売られたもの。
丁度ダンテへのクリスマスプレゼントを買った帰り。
ダンテをたくさん喜ばせてあげたくて、値段もさほどではなかった為プレゼントのおまけ程度で買ってみた。
「彼氏の目の前で、飲んであげるといい」
商人の言葉を思い出す。
「わかんないけど…飲めば喜んでもらえるんだよね」
かざした瓶の中で、赤い液体が揺れた。
どんな事でも、ダンテが喜んでくれれば。
ダンテの笑顔が見られれば。
「ただいまー」
事務所の扉を閉めつつ、声をかける。ダンテが部屋のドアから出てきた。
「どこ行ってたんだよ」
「ちょっとね。ねぇ、そこに座って」
ソファに座るように言い、買ってきたばかりのプレゼントを手に。
「?」
ダンテが大人しくソファに座る。
はにこにこして、買ってきたものをぱっと差し出した。
「はいっ! クリスマスプレゼント!」
ダンテは驚いたように目を丸くした。
「…俺に?」
「うん!」
ぽかんと口を開けてを見ていた表情が次第にほころぶ。
嬉しそうに。
から貰えるものだ。どんなものだって嬉しいに決まっていた。