第20章 勘違い
わけがわからなくて、ダンテはバージルとを交互に見た。
はうつ伏せの身体を持ち上げて首を傾げ、バージルはいきなり殴りかかられた事に不機嫌そうな顔。
「な、にやってたんだよ…」
「ん?バージルにマッサージしてもらってたの!すごい上手いんだよ。痛いけどー」
「……マッサー…?」
力が抜け、バージルの服から手を離す。
バージルは皺のついてしまったシャツをぱたぱたと直した。
マッサージ。
ならさっきの声は?あぁ、痛がってただけか。
バージルがに馬乗りなのは?
彼女の背中を押してただけ。
成る程、それなら辻褄は合う。
となると、自分は勘違いをしたわけで。
「ん?どうしたの?」
がきょとんと見上げてきて、ダンテは顔を逸らした。
バージルが横で呆れたようにため息をつく。あいつの事だ、もう大体察しがついているのだろう。
「……っ 来い!」
ダンテはの手を引っ掴む。
マッサージだったとしても、とバージルがあんな事をしていたのは許せない。俺が帰るまで待ってくれたっていーじゃねーか!
半ば八つ当たり気味に思い、を自分の部屋に。
「えぇっ、ちょ…待ってよ…」
壊れたバージルの部屋のドアはもちろん無視で踏みつけ。
はそれが気になるようで、見えなくなるまでドアを心配そうに見ていた。
バージルは何も言わなかった。ただその馬鹿っぷりに呆れて、ドアを見つめた。
弁償させないとな。新品のドアでも発注させるか。飛び散った部品を拾う。
その後しばらくダンテとは部屋から出て来ず、バージルは1ヶ月の側に寄るのを禁止された。
20070927