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【DMC】BLUE

第7章 決断



暗い、重い、赤い過去から生まれる答え。
人が生きる意味とは何なのだろう。人と関わるということは何なのだろう。
私は自分で自分の道を決めたと思っていた。
誰かの言いなりになるだけの、昔の自分から逃れられたと思っていた。

でも、そんな決意はたかが知れている。
闇しか知らない者が光の答えを出せるはずがない。

ただ、星の灯りほどの輝きでもいい。鈍く光る答えくらいは出、したかった。




翌朝。
起床し着替えたは、部屋の鏡を見て、思わず笑った。

「ひどい顔…」

かすれた声。
考えて考えて、眠れぬまま夜を過ごし。
結果は出せていないに等しく、ただ箇条書きのように複数の答えが頭にあるだけ。
それすら、答えなのかどうかもわからない。もしかしたら自分の希望であるだけかもしれない。
都合よく、辻褄を合わせているだけなのかもしれない。

それを考え始めると怖くなる。

―――でも、今日だ。

迎えに来る。
あの人が。


部屋を出たくなかった。
せっかく絞りに絞った答えが、決意が、外に出てバージルを見た途端に崩れてしまう気がした。
出たくない。

しかしだからといって、部屋を出ないのも負けた気がして嫌だ。
決めたからには、動かなければならないのだから。
暗殺をしていた彼女にとって、負けとは死。重い身体を持ち上げ、動かす。

―――カチャ…

そっと扉を開けると、ひんやりした空気がを包んだ。

―――そういえば、今何時なんだろう。

バージルはもう起きているのだろうか。ドアを少し開けたままで、耳を澄ます。
できることなら、バージルには最後まで会いたくなかった。
どんな顔をしたらいいのかも、何を言えば良いのかもわからない。


――――……

静寂。
まだ寝てる?

なぜかほっとして、なるべく音を立てないようにして部屋を出る。
ドアは最後まで閉めなかった。
逃げ口。狡いなぁ、私。

でも、バージルの家の中とはいえ、ここが私の居場所。
走ってすぐ飛び込める。
入ったらすぐ鍵をかけられる。

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