第15章 【補足】 ヒュウイとユアについて
ルース家の跡取りとして生まれた兄のユアと弟のヒュウイ。
しかし跡取りは二人もいらないと言い、二人の父であるレイは片方を切り捨てろと命じます。
レイは、ヒュウイとユアのどちらが跡取りに相応しいか見極める為に物心つくまでは育て、結果性格が穏やかなユアを消し、目的の遂行に貪欲なヒュウイを生かす事にします。
補足の補足ですがレイは地位とお金と利益が一番。
話し合いより武力を取るような人です。
なのでヒュウイを選んだんですね。
ヒュウイは活発、ユアは大人しい性格です。
といってもヒュウイにも跡取りに不要な部分が多々あり、それを残すのは財閥繁栄に支障が出る。
そこでユアの意識をヒュウイの中に押し込め、その不要な部分をユア=裏の性格として詰め込み隠す事にしました。
作中で出たように手術でです。
そうしてできたのが2重人格のヒュウイ。
表のヒュウイは人に命令し圧倒的な力を見せつけ、次第に力をつけていきます。
そんな中裏のヒュウイであるユアは、ヒュウイの護衛であるヒロインを好きになります。
しかしユアは裏の存在。表に出てはいけません。
それは彼自身自覚していて、その恋は叶えようとも思えませんでした。
当のヒロインも、ユアではなくヒュウイを好いています。
ユアにしてみれば自分が見られているのに見られていないという変に辛い状態だったと思われます。
そしてある日ヒロインが逃げ出し、レイがヒロインを殺そうとして。
ヒュウイはユアの考えている事がはっきりとわかります。
なので、ユアがヒロインに好意を抱いている事も知っていました。
実はかなり兄思いであるヒュウイは、兄の恋は叶えられずともヒロインを死なせないようにはできると思い、自分も家を出ます。
そして以前からそのやり方に疑問を持ち、兄を殺しその上ヒロインを殺そうとするレイを殺す事を決意します。
なのでヒロインを助けたのは、実のところ兄の為でもあるのでした。