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【DMC】BLUE

第6章 過去



バージルは、が去ってからしばらくすると、深くため息をついてテーブルに寄りかかった。

言ってしまった。
惑わせてしまった。
困らせたくないのに、上手くいかない。

は優しい。純粋ゆえ愚かで、それに罪悪感を感じて、それでも微笑んでいる。
それに対して自分は何だ。あれではまるで洗脳だ。
の戸惑いを利用して思い違いだと思わせ、そうまでしてここから離れて欲しくないと願う。

「俺は馬鹿か…」

自分でも信じられない。
ヒュウイについていくかいかないかなど、の勝手だというのに。
何とかして引き留めたくて、結局を困らせた。


しかし、言ってしまったものはもう仕方なく、取り返しもつかない。
の答えを待つしか道はない。

きっと相当悩むのだろう。自分には何も出来なくて、それが歯痒い。
がヒュウイについて行くと言った時、本当に自分は彼女を諦められるだろうか?

───無理だろうな…

確信。
今までどこに隠れていたのか、への想いが溢れて来る。
こんなにも止まらないのに。

───諦めるなんて、俺のプライドが許さない。

それでも不安が残るのは、何故か。
夜は更け、二人はそれから一度も顔を合わせなかった。


その夜。
は、覚悟を決める。

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