• テキストサイズ

【DMC】BLUE

第4章 熱



目が覚めて、バージルに手当てをし直してもらってから数時間後。の身体に変化が起きた。

―――何…か……身体、熱…

だんだんと燃えるように熱を帯びていく身体。
風邪で熱が出た時のような感じに似ている。身体中の血が走り回り頭がぼうっとして、落ち着かなくなる。
はたまらず息を吐いた。身体の熱を逃がすように長くゆっくりと。

熱い。すごく熱い。
気温はそれほど暑くもないのに、かけられた布団がうっとおしい。

横にはあれからずっとバージルがいる。最低限の用事以外は変わらず側にいてくれている。
なので不安はなかったが、この事態に困惑したはバージルに声をかけた。

「バージル…」

「…何だ」

以前は顔も上げずに返事をしていたのに、今はちゃんと顔を見てくれる。
それとも声色で変化を感じ取ったのだろうか。
はこの状態をどう説明したらいいものかと考え、少しして言った。

「身体…熱い…」

「………」

バージルは眉をひそめると、身体を浮かせての額に手を置いた。
途端、目を見張る。

―――何だ、この熱さは…

身体の熱がすごい。まるで高熱だ。

どうして今まで気付かなかった。
見ると、の身体全体が汗ばんでいる。息も短く小刻みで、表情を見る限り辛そうではないが変であるのは確かだ。
なのになぜ。

それよりも原因は?
手当てには細心の注意を払ったつもりだ。雑菌が入らないよう自分の手も殺菌し、更に傷口に触れないように慎重にやったはず。

それが間違っていてこうなったとは考えにくい。確かに自分は正確に手当てをした。
だとすると、もうひとつさかのぼって。
原因はひとつ。

―――あの男か……

思い出す度に殺したくなる、強盗。
奴がどれだけ不衛生な身体をしていたから知らないが、その身体での傷口に触れたから。それしか考えられない。
バージルは眉間の皺を深くした。


/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp