第4章 迷夢…
その晩…
僕はまた夢を見た。
夢の中で僕は、智子の胸元に顔を埋め、膨らみ始めたばかりの小さな乳房を、指の痕がのこる程に揉みしだいた。
その度に智子の口から零れる、悲鳴にも似た嬌声に、僕の身体は総毛立つ程の悦楽に震えた。
「兄さまっ…ああ…兄さま…ぁ…っ…」
僕を兄さまなんて呼ぶな…
僕は…僕は…、兄さまなんかじゃない!
喘ぐように僕の名を呼ぶ唇を自分のそれで塞ぎ、逃げ惑う赤く熟れた舌先を絡め取っては、きつく吸い上げれば、智子の白い頬が紅を刺したように赤く染まる。
綺麗だ…
愛しい智子…君はなんて美しいんだ…
この香り立つ柔らかな肌も、熟す前の硬い小菊のような蕾も…
全てが美しくて…
この腕に抱いたまま、溶けてしまいたい…
智子…
僕は君を…
一筋の涙が頬を伝い、僕は瞼を開く。
その瞬間、僕の胸に込み上げるのは、夢の中とは言え、穢れを知らない純真無垢な智子を、犯し、穢したことへの罪悪感で…
僕は涙で濡れた顔を片手で覆うと、残るもう一方の手を、そっと下穿きの中に入れた。
意に反して形を変えた自身を握り、不慣れな手つきで擦り上げると、瞬く間に僕の手を濡らす罪の証…
ああ、赦しておくれ…
兄さまを…
妹を愛してしまった僕を…
赦しておくれ…
「迷夢…」~完~