第13章 雷の鳴る夜に ※三日月宗近R18
翌朝目が醒めると、三日月が私の顔を見下ろしていた。
優しく微笑みながら私の頭を優しく撫でる彼は、昨夜の三日月とは別人に見えた。
「主、大丈夫か?だいぶうなされていたぞ?」
「え……と、私、うなされて……?」
うなされていたとは、いつからだろう。
まさか昨夜のあれは夢、だったのだろうか。
体を起こし、ふと開け放たれた窓の外を見れば、雲ひとつない青空が広がっていた。
それがさらに昨夜のことが夢だったのではないかと思わせる。
「三日月、あの……」
何をどう聞けばよいかわからず、俯いてギュッと布団を握りしめる。
すると、三日月がポンと頭に手を置いた。
「……次は部屋の隅で泣く前に俺を呼べばいい。そなたの鳴き声は可愛らしいからな……誰にも聞かせたくない」
その言葉にハッとして顔を上げると、すぐ近くに彼の顔があった。
吐息がかかるくらい、少し身を乗り出せば容易く唇が触れ合ってしまえそうな距離に。
「昨夜も言っただろう?俺は嫉妬深い……と」
そう言って笑う三日月は、昨夜のように美しく、艶めいて見えた。
その表情に私は彼に魅せられてしまう。
次の雷の夜にも、きっとまた。
終