第13章 雷の鳴る夜に ※三日月宗近R18
その日は朝から雨が降っていた。
夕方にはやめばいいと、洗濯当番の歌仙がごちていたが、それも叶わず。
雨は段々と勢いを増し、夜には雨風が吹き荒れていた。
「嫌な天気……さっさと寝ちゃお」
行燈の灯りも消し、今夜は早々に寝てしまおうと決めていたその時。
ゴロゴロと空が鳴り出し、ピカっと辺りが一瞬明るくなる。
「……っ!!」
ドーンと大きな音が鳴り、思わず身を竦めた。
落ちた……雷が。
絶対これ、近い。
「やだ……やだやだやだっ……!!」
最初の音を皮切りに、次々と光っては、大きな音を立てる雷。
こんな状況では、眠るどころか怖くて身動きすらとれない。
「うっ……雷やだ、怖い……」
何度目かの雷鳴に部屋の隅でうずくまっていると、スッと襖が開いた。
「主……?叫び声が聞こえたが、どうした?」
最初、部屋が暗くて誰が部屋に入ってきたのかわからなかった。
けど、再び雷で辺りが一瞬明るくなり、彼の顔を照らす。
「あ、みか……づき?三日月ぃっ!」
部屋に入ってきたのは、三日月宗近だった。
鳴り響く雷鳴の中、私は夢中で彼に縋り付いた。
「あ……か、雷が……三日月ぃっ、怖かった……よぅ」
「こんな泣いて……よしよし。怖かっただろう」
雷を怖がって泣く主など、天下五剣の彼にとってはさぞかし頼りない奴だと思っただろう。
でも、三日月は私を拒絶することなく、私が落ち着くまでずっと頭を撫でてくれた。