第6章 生徒指導の先生※歌仙兼定R18
「…………」
しばらく駆けていたが、ふいに足を止め、自分の頬に手をあてる。
まだ、先生の手の感触が残ってる気がした。
頬に触れた先生の手は優しくて、温かかった。
ずっとこうしてたいって。
また、して欲しいって……思っちゃったよ。
「明日からは……か」
人気のない廊下を歩きながら窓から校庭を見れば、そこにはいつも見る部活動の光景。
何も変わらない、いつもの光景。
さっきまでのことが噓みたいだ。
「…………っ」
ふいに先程のことを思い出してしまい、体が熱くなった。
わたし、やっぱり先生のことが好き、なんだ。
あんなことされても、……変わらない。
教室につくと、ロッカーにしまっていた鞄と丈の短いスカートを取り出した。
もう、これ着たらダメなんだ。
これを着たら、悪い子のまま。
「先生……」
私、先生が好きだよ。
だから、悪い子のままでいいや。
終