第26章 湯殿で鉢合わせ※山姥切長義R18
男士達が寝支度を整えて自室に控えている時間。
全員が湯殿を使い終えた頃、私は一人でのんびりとお風呂に浸かる。
……そのはずだったのに。
「あー今日も頑張ったー!疲れたよー!!」
誰もいないことをいいことに、タオルで体を隠すことなく、勢い良く湯殿の戸をガラッと開ける。
けど、そこには。
「……っ!?な、君っ!!」
「やっ!ややや……山姥切、長義!?」
目の前には山姥切長義。
しかも素っ裸。
な、何故!
何故彼がここにいるんだ。
この時間は、私がお風呂に入るから、誰も入っちゃダメって決まってて……。
あ!そうか。
彼はこの本丸に来たばかりだった。
けど、誰か彼に教えておいてくれてもいいのに!!
頭の中で目まぐるしく考えが過ぎるけど、私の体は硬直したまま。
けど、視線は反対によく動く。
私と同じくらい驚いた彼の顔を見た後、視線は……。
彼の下半身へ。
「…………」
タオルで隠しもせず、露わになっていた彼のそこ。
それは、彼の美しい顔とは想像できないほど、雄々しいものだった。
あまりのギャップに、つい食い入るように見てしまっていた。
「そんなにまじまじと見て……君は、男士の裸体を見る趣味があるのか?」
はっと我に返り顔をあげると、訝しげな顔をする長義がそこにいた。
当然だろう。
あわてて後ずさると、戸を閉めた。
「ごめんなさい。あの、まだ誰か入ってるって気付かなくて。決して私にその……怪しい趣味があるわけじゃなくてですね……」
どもりながら、なんとか誤解を解こうとするが、うまく言葉が出てこない。
すると、背後から彼が声をかけてきた。
「まさか、この時間は君が湯殿を使う時間なのか?」
ああ、やばい。
声を聞くと思い出してしまう。
さっき見た……彼のあれを。
だめだ、平常心、平常心。
「えっと……実はそうです。そうなんです」
そうだ、私も裸じゃないか。
ああ……タオルで隠しておくんだった。
絶対見られた。
けど、私も見たから、お互い様ってやつなの?
ああ、一刻も早くこの場を立ち去りたい。
今夜はお風呂に入れなくてもいいから、今すぐ部屋に逃げ帰りたい。