第23章 憧れの先生※一期一振R18
学生の本分は勉強。
とにかく、勉強。
そんな息の詰まる日常に、息抜きが欲しい。
そう思って手に取ったのが、ティーンズラブ小説だった。
それは勉強漬けの私の日常を、非日常へと連れ出してくれる。
いつしか、ティーンズラブ小説を勉強の合間に読むことが私の最高の息抜きとなっていた。
だけど、その息抜きは最大の試練を毎回私に与えてくるのだ。
小説を買う。
その行為が、こんなにも難しい。
参考書や問題集を買うのは、簡単だというのに。
参考書を買うように、中身を吟味することも、男性のレジに気にせず並ぶことも出来やしない。
小説を買う。
その行為は、私に取って勉強よりも難しい。
学生がティーンズラブ小説買ってるなんて、男性店員さんに思われたくない。
それに、知り合いに見られたら。
もしそんなことになったら、私の人生終わりだ。
だから、今日もこうして私は、小説を買うために家から何駅も離れた本屋に来たのだ。
学生だってバレないように、精一杯の大人っぽい服を着て。
今日は小説の新刊発売日。
失敗は許されない。
いざ、本屋へ出陣。