第22章 路地裏アンアン IN へし切長谷部
中に注がれる長谷部の蜜液の熱さに桜はうっとりとしながら吐息を漏らした。
長谷部の愛情で中がいっぱいに満たされ、それでも彼はまだぐぷぐぷと一滴残らず愛欲を注ごうとしている。
こんなにも激しく、甘く愛されているのだ。
「ふ……ぁ、もう……」
つらくて、つらくて。
空っぽになった心や体が今、満たされた。
桜は強くそう感じた。
「……桜?」
長谷部が体を離して自身を引き抜くと、桜はズルズルとその場にへたり込んだ。
「大丈夫ですか!?すみません、私のせい……ですよね」
「ごめん、そうじゃないけど……ちょっと……体に力が入らないや」
苦笑いをする桜に、長谷部は心配そうに手を差し伸べる。
「ねえ、抱っこしてくれる?……お姫様抱っこがいい」
「貴女のためとあらば、何でも」
差し出した手を桜の膝裏に差し入れると、桜を横抱きにする。
お姫様抱っこに満足した桜が顔を上げると、激しかった雨も上がり、雲の切れ目から陽の光が見えていた。
まるで、桜の心をそのまま映したかのように、雲は徐々に晴れていく。
「長谷部、本丸に帰ろうか、それと……」
本丸に着いたら、もう一回愛して欲しい。
桜がそう言うと、長谷部は目を丸くして驚いた表情をした。
「何度でも、貴女を愛して差し上げますよ……永遠に」
微笑む長谷部に、桜の胸がドクンと跳ねた。
さっきまでは、心が空虚だったというのに。
桜は長谷部の衣服をキュッと握りしめる。
この先、また辛いことがあっても、乗り越えられる。
もう、一人じゃないから。
終