第6章 眠る前の夢
自分のために用意してくれたのかとが問うと、ダンテはにっこり笑っての頭をなでた。
はそれになんとなく気圧されて、何も言えなくなってしまった。
「…ありがとございます」
お礼だけ言う。
はダンテに見守られながら新しいベッドにもぐり込むと、ばふっと枕に頭をのせた。
柔らかく、布団に包まれる。心地いい。
もとの世界のベッドでも、こんなにふわふわではなかった。
仰向けに寝たの視界に、覗き込むダンテの顔。額にかかる髪をのけられる。
その顔が不意に近づき、とっさに目をつぶったの額にダンテの唇が触れた。
嬉しさと恥ずかしさが入り混じったが目をうっすら開けると、ダンテの意地悪い顔が映り、今度は唇に…
長い。小鳥がついばむように何度も角度を変えるキス。
ダンテはわざと音を立てる。
が逃げられないのをいい事に、ダンテが一方的に。
何度も。
何度も。
と思いが繋がった事で、ダンテの中の何かの枷がはずれていた。このまま勢いに任せていると取り返しのつかない事になりそうだ。
高鳴る気持ちを抑えてようやくダンテが唇を離すと、は真っ赤な顔でぽかんとダンテを見上げていて。
ダンテがにやにやしながら見つめ返すと、次の瞬間彼女が布団の中にもぐり込む。
───ななっ何今の…! びっくりした!
恥ずかしさで震えが来たを見て、ダンテは笑う。
「何で隠れんだよ」
「だっ だって…」
ダンテはを覆っている布団をはがした。
赤い顔のがいる。戸惑って目を合わせられなくて、あちこちさまよう視線。