第4章 夕食
「…あ そうだ。あの、お風呂ってありますか?」
思い出したようにが言った。
「あるぜ」
ダンテが食べながら答える。
「よかった。後で貸してほしいんですけど…濡れちゃって汚れたので」
「もちろん。好きに使いな」
「ありがとうございます」
ほっとした表情で、再び食を進める。
――やっぱり、お風呂あるんだ。良かった。
外に出なくちゃならないようだったら、二人のどちらかが確実についてくるように思えたので、それは何だか申し訳ないと思っていたのだ。
ダンテはその様子を見ながら思った。
───風呂か…。湯上がりの…
思うだけでにやけてくる。
───可愛くて綺麗なんだろうな…濡れたみたいな黒髪が更に濡れて……
身体が熱くなるのがわかった。
が目の前にいるせいで、尚更ぼうっと考えをめぐらせてしまう。
バージルにつつかれて睨まれて、慌てて食事に手をつけた。
バスタオルと、後で寝床も用意してやろうと、計画を練り始める。