第18章 3メートル
───嘘をついた。
いや、嘘は言っていないか。
それとも言ったのか?
どちらでもいい。
どちらでも変わらない。
一番大事な事を言わなかった。
いくらが側にいるとはいえ、寝所を共にしていない身体。
蝕まれる。
蝕まれた上に、新月。更にこの気分。
───最悪だな。
ライアは嘲笑した。
さらさらと流れる空気の中をゆったりと歩く。
様。貴女に言った事は嘘ではありませんよ。
ただ、そう、運が悪いんです。
蝕まれた身体に新月にこの気分。最悪です。最高に最悪です。
魔力は生きている。
気を緩めれば私の身体なんて、それはもういとも簡単に犯されて侵されて蝕まれて喰い尽くされて乗っ取られるんですよ。