第27章 そして卒業 # side雅紀
「何それ…ひどい」
「うん。ヒドいのオレ」
を真っ直ぐに見つめる。
ずっと一緒にいるのに、
こんなに緊張すんのは初めてかもしれない。
「責任とらせてよ。
振られたの、オレのせいだから」
「え…」
「オレでいいじゃん」
自分の声が、
変に裏返ってびっくりした。
「ずっと好きだよ。が」
心ん中じゃね、もう何百回も叫んだセリフ。
のくりっとした瞳が、さらに大きくなった。
やっぱり気づいてなかったの?
「な、ちょっと!ふざけないでよ」
「ふざけてないって」
が困った素振りで…オレの視線から逃れようとするから
真面目な顔で…腕を掴んだ。
子供みたいに、暖かい、ちっちゃな手。
「が好きなんだって。」
「急に…そんな」
しどろもどろになっちゃって、なかなか目を合わせようとしない。
照れてんの?なんか、すげー新鮮。
「いいよ。すぐじゃなくても」
「…雅紀」
「伝えたかったんだ。が好きだって。
…オレ、待つの得意だから」
が、ちょっと切ない顔したから
えへへとふざけて笑って見せる。
「さ!帰ろっか!
母ちゃん達、卒業パーティーとか準備してそーじゃね?」
「ほんとだ。有り得る」
隣に並んだ
卒業したら、こうして帰る事はまずない。
それでも、離れてても…
オレらは繋がってるって信じたい。
想いが通じるかどうかは、わかんないけどさ。