第1章 幼なじみの恋#side雅紀
「らしくないって! ほらっ行ってこいよ!」
そう言って勢い良く背中を押すと、泣きそうな顔して振り返った。
黙って頷くに、ニッと笑って見せる。
「頑張って伝えろよ! 大丈夫だから!
オレが言うんだから間違いないって」
「雅紀じゃ、全然信憑性ない!」
「しんぴょーせー??
難しい言葉使うなって、早く行け!」
面倒くさそうなフリを装って、手のひらをシッシッと振ると…
やっと覚悟したのか、は歩き出した。
遠ざかる背中を見つめながら、思わず大きく息を吐く
思い切って、アイツに告白してこいよ
そして振られたらいい
お前の良いとこも悪いとこも、全部知ってんのはオレだけなんだから。
そして、いつもみたいに、雅紀ぃ!慰めて、って泣きついて来いよ。
ちゃんと待っててやるからさ。
でもさぁ…
オレがずっと、フリーな理由
いい加減、気付けよな。