第1章 過去の話
幼い頃、自分の親がおかしいだなんて、塵ほども思っていなかった。
私の頭を撫でる大きな手には、愛情があると思ってた。
私はそんなにおかしな子供だろうか?
今日私は知らない大人に連れていかれた。
暗い部屋に置き去りにされた。
大人用の手錠は冷たく私の手を拘束したが、大きな輪っかに収まらない小さな手は、私をすぐに解放してくれた。
見張りのいないこの部屋を飛び出し、海の上を走り出した船から飛び降り、船が無事に出航するのを背中で見送った。
いつ私がいないことに気づくだろうか?
私はやっと帰路についた。