第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
会計を終え、店を出る。
特に映画以外予定を決めていなかった為、次はどこに行くかという話になった。
私はたくさんあるけれど、その中でも学秀が興味を持つ所は限られている。
(何処だったら嬉しいかな?)
行くとしたらショッピングモールかもしれない。文房具店とかだったら学秀でもまだつまらなくないだろう。
良い案だと思い、口にする。
すると学秀は私を見て、
「花日はそこに行きたいのか?」
と少し真剣そうな顔で言った。
学秀ならそこが良いかとも考えているけど、自分が行きたいのもあながち間違いではない。
「うん!」
「じゃあ行くぞ」
確か結構店の数が、近くのショッピングモールは多かったはず。
そこに行けば行きたくなるような店もあるだろう。
そう思い、考えるのをやめた。
歩いている途中で気づいた事がある。
今まで話すのに夢中で全く足元を見ていなかったが、学秀は私に歩くペースを合わせてくれている、という事に。
何も言わないけれど、いつも優しい。
生徒会長がこんな姿だとみんな驚くだろうな、なんて関係ないことを考えながらもやっぱり嬉しかった。
「花日」
「‥‥あっ何!?」
考え事をしていたせいで少し反応が遅くなってしまった。今は2人でいるのだし、そういうことをされたら気分が悪くなるのではないかと思う。
(...やってしまった)