第7章 アカデミー
『ミナトさん、クシナさん、お久しぶりです。』
そう言って、目の前にある慰霊碑を優しく撫でる。
アカデミーに入ってから何ヵ月かたった。
今日は休みだったため昨日のうちに宿題を全て終わらせた私はミナトさんとクシナさんの名前が刻まれている慰霊碑のところに来ていた。
ちゃんとしたお墓は別にあるのだが、そこにはあまり行っていない。
ミナトさんとクシナさんとの思い出がよみがえってきて涙が出そうになるから。
もう約1年経つのに未だにミナトさんとクシナさんの事を思い出してはため息をつく日々を続けている。
イタチのおかげで立ち直りは早かったとは思うが、それでも私の中で二人の存在はスゴく大きいものだったようだ。
ちなみにイタチは今日、いつもの場所で修行をしている。中々来れなかったのだが、私はミナトさんとクシナさんにアカデミーに入った事の報告をするため、修行を断った。
『遅くなってごめんなさい。私、アカデミーに入ったんです。同級生でスゴいと思う人はやっぱりイタチ以外いませんでした。』
慰霊碑の前に座り込み、最近あったことを片っ端から話始める。心地よい風が吹いており、木々のざわめきが僅かに聞こえてくる。
『同級生の子達にはイタチも私もよくケンカを売られるんです。』
まあ、全部返り討ちにしてますけど..そう言って苦笑した私はふいに真顔になり、
『...私、イタチやサスケ..大切な人達を守りきる自信がないです。』
そう言って目を伏せた。
その時、急に後ろから気配がした。
いつもだったすぐに戦闘体制に入るのだが、その気配は見知ったものだったため、体は一切動かさず、口だけを動かしてその人に話しかけた。
『盗み聞きするなんて趣味悪いですね
シスイさん』