第7章 アカデミー
しばらくすると、人もたくさん集まってきて、賑やかになってきた。
私はイタチの肩に頭をのせ、目を閉じてその声を聞いていた。
イタチは本を読みながら時々私の頭を撫でたりして時間を潰しているようだった。
すると、急にドアが開いた音がした。
まあ、気配で誰か来るのは分かっていたんだけど、
スッと目を開き頭を上げて姿勢を正し、今入ってきた人物に視線を向ける。
恐らく担任であろう。年老いた男が教室を見回しながら教壇に立った。
その男は最初に軽く話をしたあと、最初の授業を始めると言い、バインダーのようなものを取り出した。
「では、自己紹介をかねて、みなさんの夢を聞かせてください。」
先生がそう言うと、一気にざわざわと雑音が聞こえ始めた。
イタチをチラリと見ると、周りの人達を観察しているようだった。
イタチの夢は知っている。第三次忍界大戦の時のあの地獄絵図を見たあと、家に帰るとイタチは私の手をギュッと握り、教えてくれたのだ。
”この世のすべての争いを消しさってしまえるほど、誰よりも優秀な忍びになる“
すべての争いを消しさってしまうには、誰にも負けないくらい強い忍にならなくてはいけない。
だから、イタチはずっと努力してきた。毎日修行をして、血が出るまでクナイや手裏剣を握り、知識を蓄えるために本をたくさん読んで..
そんな...イタチを..私は支えたいと思った。
私の夢は“大切な人を守りたい”だ。
未来でおこる色々な悲劇を止めたいというのは、今はまだ願望でしかない。
でも..夢は一つじゃなきゃいけないというルールはない。
イタチの側で...イタチをずっと支え続ける。
それが、私のもう一つの夢