第7章 アカデミー
「いつまで手を握ってるんだ」
握手をしてから、お互い中々手を離さない私たちに痺れを切らしたようにイタチが真ん中に割って入り、手を無理矢理離させた。
『イタチ?』
「なんだイタチ?嫉妬か?」
「.....」
イタチはシスイさんの言葉には何の反応もせず、私の肩に手を置いてじっと見つめてくる。
よく分からないが、とりあえず頭を撫でた。
すると、イタチは一つため息をついて、大人しく私に撫でられ始めた。
『どうしたの?イタチ?』
「...何でもない」
少し不機嫌そうな声色で返ってきた言葉ではあったが、表情を見ると、目を細めて嬉しそうに撫でられていた。
「俺が頭を撫でると不機嫌そうに払うくせして姉ちゃんに撫でられると抵抗しないんだなー?イタチ?」
そんなイタチに、面白そうに話しかけるシスイ。
「姉さんだからな」
..答えになってない
「ふっ..そうか。お前はちゃんとした心の拠り所があるんだな」
シスイは嬉しそうにイタチを見る。
『シスイさんには、ないんですか?』
「?」
急に顔を上げ、話しかけてきた私に驚いたように目を見開き固まったシスイさん。
『...シスイさんには、心の拠り所..ないんですか?』
「...そうだな。ないこともないんだが」
シスイさんは苦笑しながら言った。
『..もし、貴方がいう拠り所にいけなくなるようなことがあれば、私たちを頼ってくださいね?力になります。』
今日会ったばかりの女にこんな事を言われるのは生意気だと思われるだろうか..
でも、
「イタチの大切な友人です。私も貴方を大切にしたい。」
イタチの初めての友人。しかも、これから、この人がどれだけ里を一族を、そして、イタチを思ったり、考えてくれるのかを知っている私からすれば、力になりたいと思うの必然であろう。
シスイはそんな私の言葉に驚いたような顔をしたあと
「ありがとう。ツバキ。」
と、嬉しそうな笑みを見せながら、私の頭を撫でた。
シスイさんの表情を見て、嬉しくなり、シスイさんを見上げながら、私も微笑んだ。
その光景を、イタチは静かに見守っていた。