第6章 新しい命と失われた命
あれからしばらく時間がたった。
ミナトさんは影分身ではあるが、頻繁に私に修行をつけてくれたり、会ったりしてくれる。
そこまで無理しなくていいのに、と、言うと、俺がツバキに会いたいんだと笑いかけてくれる。
さて、そんな私に良いニュースと悪いニュースが舞い込んできた。
悪いニュースはつい先日。
『...え?』
「...」
町中で、カカシさんと会い、声をかけようとすると、カカシさんは私を見た途端に1度ピタリと止まりズンズンとこちらまで一直線に歩いて来て、私を抱っこしてよく修行をする場所へ連れてきた。
そこで、聞かされたのは...
『リンさん..が?』
「ああ、」
リンさんが死んだというものだった。
『...どうして、それを私に?』
「.....リンの事を慕っていたし、言わないで、後から聞く方がきついと思った。」
カカシさんは辛そうにそう言ってきた。
そっか...カカシさんは私の事を思って言ってくれたんだ。
普通は...こんな子供に大事な人が死んだ報告なんてしない。
それをあえて私に教えてくれた。
『...ありがとうございます。』
「!」
『教えてくれて、ありがとうございます。』
「...あいつを殺したのはお『カカシさん、』?」
『私はどんな理由があろうと、あなたを恨んだりしません。どんなことがあろうと、あなたを悪く言ったりはしません。』
カカシさんは多分、リンさんを殺したのは自分だ。全部自分が悪いと思ってる。
けど...
『最後、死ぬときは愛する人の手で死にたい...』
「!?」
『そーゆーことですよね?』
「...なぜ」
『ただの推測です。私はその場にいなかったので、よくはわかりませんが、リンさんは自分の死に方を選んだ。』
「.....」
『このまま、里に帰ってあらぬ疑いをかけられて里の人達に殺されるか、カカシさん..あなたに..愛する人の手で殺されるか。』
私が未来を知っている事をカカシさんは知らないため、リンさんに尾獣が埋め込まれていたことを知らない程で話す。
『良かったと思います。リンさん自身が選んだ死に方なんですから..それが、例え選ばなくてはいけなかった死でも..』
「....ツバキ...」
『はい?』
「ありがとう...」