第6章 新しい命と失われた命
そんな私の様子に気づいたのかミナトさんは私をギュッと抱き締めて、ツバキが言いたくないなら言わなくていい。それはツバキ自身が決めることだよ。と、言ってくれた。
『...ありがとうございます。』
「ん!まあ、なんかあったらいつでも相談して!」
『...私、もうちょっと大きかったらミナトさんに惚れてたかも』
「え。」
『いえ、なんでもありません。』
私が変なことを口走ったせいで、ミナトさんとクシナさんの動きがピタリと止まった。
慌てて、だが顔は無表情で誤魔化した。
けど、まあ、私がこの姿じゃなくて前と同じ姿&歳だったらほんとに惚れてたかもしれない。
だって..イケメン..この人
「そ、そう?」
ミナトさんは慌てたようにオロオロと私に言った。
『...冗談ですから、間に受けないでくださいよ..なんだかこっちが恥ずかしいじゃないですか』
「ご、ごめん。」
そこで、クシナさんがプルプルと震えているのを見つけてしまった。
あ、なんかやらかした感じ?
『あ、あの..クシナさん?冗だ「ずるい」え?』
「ミナトずるい!!私もツバキちゃんに好かれたい!!」
『そっちですか..』
私とミナトは苦笑いでクシナさんを見た。
「あっ!でもミナトは渡さないよ?」
「..クシナ」
『いや、狙ってませんし私まだアカデミーにも入ってない子供ですよ?あとサラッと惚れ気言うのやめてください。』
そんな私の無表情のツッコミに二人は照れたように笑った。
その顔を見て、私も静かに微笑んだ。