第6章 新しい命と失われた命
「ん?今何か言った?」
ミナトさんは私の小さな呟きが聞こえたようで首を傾げて聞いてきた。
『いえ、なんでもないです。...あっ、ミナトさん、一つだけ相談してもいいですか?』
私はミナトさんの顔をみるため頭をあげながら言った。
「ん?」
私から個人的な相談というのがあまりないせいかミナトさんは少し驚いた顔をして私を見た。
私は、すっと目を閉じると、チャクラを集中させ、また目を開いた。
『これのことなんですけど...』
ミナトさんは私の目を見た瞬間、私を落としそうになり、慌てて抱え直した。
『うわっ!!』
「...!ご、ごめんツバキ!」
『い、いえ、』
「.....えーと、質問していい?」
ミナトさんは私をソファーに連れていき、座らせた。
その横にはいつの間にかクシナさんもいる。
ん?クシナさんもいる?
『...クシナさんいつリビングに来たんですか?』
「ミナトの後ろを着いていってたから今さっき?」
ああ、つまり最初からいたと...
「えーっと話戻すよ?...それ、写輪眼で間違いないよね?」
『...多分。』
「?、フガクさんたちには言ってないの?」
『...はい。』
ミナトさんは少し考えたあと、私の目を見て
「その目の事はあまり他の人に言わない方がいい」
と、真剣な顔で言われた。
「理由は...言わなくてもわかるね?」
『...はい。』
まあ、少し考えればわかるだろう。こんな小さい子が写輪眼を開眼したとわかったらあの時の忍達のような輩が襲ってくる可能性が高くなる。
普通の大人より私くらいの小さいこの方が捕まえやすいに決まってる、
「でも、フガクさんやミコトには言ってもいいと思うよ」
ミナトさんは私の返事に満足げに頷いたあと、そう言って、私の頭を撫でた。
実をいうと...その事で、ミナトさんに相談した。
その事、というのは写輪眼を開眼したことを父と母に言うか否かということだ。
私が写輪眼を開眼したことによって、4代目火影のことでピリピリしているうちは一族に変な刺激を与えてしまわないか..
ただでさえ私は木ノ葉の里警備部隊隊長であるあのフガクさんの娘だ。
皆には悪いが、変に利用されるかもしれないという不安が拭いきれない。