第6章 新しい命と失われた命
ピーンポーン
ミナトさんの家に着き、チャイムをならす。
すると中からドタバタと慌ただしい音が聞こえてくる。
最近は戦争のせいでミナトさん家に来ていなかったためこの感じも懐かしい。
「はーい!今開けるってばねー!」
懐かしい声が鼓膜を振るわせる。大人しく待っていると、すぐにガチャリとドアの開く音がし、中からクシナさんが出てきた。
『...お久しぶりです。クシナさん』
私は少し微笑みながらクシナさんを見上げた。
「...久しぶりだってばねー!!ツバキちゃん!!」
『うぐっ!』
クシナさんは一瞬フリーズしたかと思うと私を勢いよく抱き上げ、ギュッと抱き締めてきた。
『ク、クシナさん..?』
「最近会えなくて寂しかったってばねー!!!」
『うっ...』
や、ヤバイ。これはヤバイ。クシナさん力強い..!
もうダメかもしれない..と思ったとき、家の中から声がした。
「クシナ!ツバキが苦しそうだよ!」
「あっ、ごめんってばね」
「あと、~てばねってついてるよ。直すんじゃなかったの?」
「あ、」
『...お久しぶりです。ミナトさん』
家の中で苦笑いをしながら、ラフな格好で立っていたのは、私の師匠である、ミナトさん。
「ん!久しぶりだね。ツバキ、元気にしてた?」
『はい。ミナトさんこそ怪我とかしてないですか?』
「そんなやわじゃないよ」
ミナトさんは私に微笑みかけて頭を撫でてくれた。
ミナトさんから頭撫でられるの好きだな、
「今日はカカシとリンも来るから3人で修行しよう!もうちょっとだけ待ってて!」
『分かりました。』
カカシさんとリンさんに会うの久しぶりだな。そう考えていると、ふと、オビトさんの顔が思い浮かんだ。
大丈夫。大丈夫だよ。この里では私しかこの事は知らないだろうが、あの人は生きている。
無意識に暗い顔をしていた私に気づいたミナトさんは私を抱っこした。
『!?』
「暗い顔してるよ。悩むなとは言わないけど、あまり考えすぎるのは良くないと思うよ?ただでさえ君はまだ子供なんだから」
ね?と言って私に微笑みかけるミナトさん。
子供って言っても...
精神年齢があなたより高い子供ですけど...