第5章 第三次忍界大戦
「ツバキ、イタチ、これから戦場に入る。二手に別れて、敵を探す。お前らだけではまだ危ないかもしれないから一応俺の部下を一人どちらかにつける。お前らは俺か、その部下とツーマンセルで移動してもらう。」
『イタチには父さんがついてあげて。私は大丈夫だから。』
真剣な顔で私たちに話をしてくる父さんに私は一言、そう言った。
隣には父さんの部下らしき男の人、私はその人の方に向かって歩いていき、頭を下げた。
「姉さん..!」
『大丈夫。イタチは父さんからしっかり学ぶんだよ。』
「決まりだな。サクト、ツバキを頼む」
「御意」
「散!!!」
その瞬間私たちはそれぞれの方向へとんだ。
『こちらには敵はいないみたいですね。』
「そうですね、ではあの洞窟を見に行きましょう。怪しいです。」
『...確かに隠れるにはうってつけのところですね。わかりました。行きましょう』
私たち二人はイタチたちと別れ、敵の居そうなところを探し回っていた。
生憎、尾行の仕方はミナトさんに教わっていたため申し分ない。
気配を消して、そっと洞窟の方へ近づく。
『!』
「...」
僅かに、中から人の気配と、音がした。
敵か..味方か..
「.....」
サクトさんは、ジェスチャーで私にこちらに来るように、と指示を出してきた。
私が素直に従い、サクトさんの方に気配を消し、ゆっくりと歩き出す、
シュッ
『.....』
私の顔の近くを何かが高速で通りすぎた。
どうやら洞窟からクナイを投げられたようだ。
だが、なぜわかった?私は気配を消していた。
気配を消すのには自信がある。ミナトさんにも散々誉められたくらいだから。
あれは、ミナトさんが私の才能の無さに対して勇気づけるための演技だったのか?
いや、それはあり得ない。あの人はそんなことはしないし、出来ないのであれば出来るまでちゃんと教えてくれる人だ。第一、あの人はそんなに器用ではない。
特に私に対して、
では、サクトさんの気配が気づかれた?
いや、この人は父さんの部下で側近のはずだ。何度か家に来ていたのを見たことがある。ということは上忍と考えて間違いないだろう。
上忍が気配を探られるようなことがあるのか?