第4章 幸せな日常
『イタチ。準備できた?』
「うん。」
私たちは朝ごはんを食べたあとミナトさんの家にいくために、私服に着替えた。
まあ、うちは一族の私服はなんか似たようなものばかりだけどね。
黒のタートルネックに、私がスカート(下に短いスパッツ)、イタチがズボン。(服の説明は難しいのであとは省こう。)
ちゃんと背中にはうちはの家紋がついている。
『それじゃあ行こうか?』
「うん。」
イタチの返事にコクンッと頷いて、部屋を出た。すると、
「ツバキ、イタチ、」
そう名前を呼ばれた。声のした方を見ると、
「『父さん』」
そう、私たちの父親、うちはフガクが立っていた。
「どこかに出掛けるのか?」
『はい、ミナトさん達がどこか連れていってくださるみたいなので』
「...そうか。」
ミナトさんの名前を出した瞬間、フガクさんは少眉間に皺がよった。
まあ、それもそうだろう。うちは一族は次期火影候補のミナトさんの事をあまりよく思っていない。
原作でもそうだったしな。
そんなうちは一族でもあまり好かれない存在のミナトさん達と自分の子供がこうも頻繁に会っていたら何を言われるかわからない。
多分、フガクさんはミナトさんの事をそんなに邪険にしてるわけではないと思うんだが、うちは一族のトップとして色々あるのだろう。
「父さん?どうしたの?」
そんなに父親の変化に気づいたイタチが首を傾げながらフガクさんに聞いた。
「...いや、なんでもない。気を付けて行ってくるんだぞ」
「『はい。』」
フガクさんの言葉にコクンッと二人同時に頷き、背を向けた。
『あ、父さん』
「?」
私は、背を向けたまま、フガクさんに話しかけた。
『父さんの立場上、ミナトさんを良く思えないのも、あまり私たちにミナトさんと関わってほしくないのもわかっています。』
「!」
『それでも、私はミナトさんとクシナさんが大好きです。離れるなんてことはしたくありません。これは私の我が儘ですが、一応知っておいてください。』
私はそこまで言うと、いってきますと言って、イタチの手を握り玄関まで走っていった。
フガクは、そんな二人の背を呆然と見つめていた。