第4章 幸せな日常
“はい、わかってます。”
そう言って微笑んだ僅か2歳の女の子に、俺は少し訝しげな顔をしてしまった。
毎度のように思う“この子は本当に俺よりも年下なのだろうか”という疑問の答えは誰に質問しても“年下に決まってるだろ”と、返ってくるだろう。
それでも、何度会って、何度喋っても、自分より年上か、同じくらいと喋っている感覚に陥る。
もともとこの子が大人っぽいということもあるんだろうけど、双子の弟のイタチくんも大人っぽいし、考えすぎだろうか。
そう思いながら水風船を割ろうとチャクラをコントロールしている彼女をみる。
2歳にして、普通に大人と喋ることができる、覚えが異常に早い、理解力が2歳とは思えないほどある。どれだけ難しいことを言ってもついてこれる。この前偶然見てしまったのだが、分厚くて俺でも読むのに躊躇いそうな本をペラペラと興味深そうにめくっていた。
あとで、それを見ると、チャクラに関することや戦術に関することなど、忍に必要な能力がたくさん難しくのっている本だった。
こんなものを読めるのか?普通の2歳児が、その答えは否だ。
それに、この子は物凄い力を持っている。
チャクラを自在に操り、完璧にコントロールし、鋭い手裏剣捌きで的の真ん中を動きながらでもしとめる。体術では2、3回手合わせしただけで俺(上忍)の動きを完璧に予測してしまう分析力。
この子はすごい忍になる。
そう...確信した。
だが、それが少し恐い。この子の奥底に眠る力が..
『あっ、ミナトさん..!割れました..!』
いや、考えすぎか
火影になることが俺の夢..だからこの子も..
そう思い、無垢な笑顔を向けるツバキの頭を撫でて自分も笑顔を向けた。